離婚協議書を作らずに、そもそも口約束だけで離婚を実行される方々が多いのが現状です。こうなると、慰謝料、養育費の支払などを行わず、約束をなかったことにされてしまうケースが多々あります。そうなると、生活費も厳しくなり、子育ての環境なども悪化していき、精神的、経済的負担が甚大なものとなります。

理由は、通常の離婚協議書だけでは強制力がないからです。離婚相手が約束を守ってくれない場合に、裁判を経なければならず、弁護士費用や多大な時間を費やすこととなり、
経済的、精神的負担を強いられる結果となります。

 本来、金銭の支払いの約束をしたのに支払う側が約束どおり支払わない場合、支払ってもらう側が差押えなどにより強制的に回収を行うためには、原則的には裁判を起こして勝訴判決を得たうえで、強制執行を申し立てる必要があります。
ですが、金銭の支払いの約束をあらかじめ公正証書にしていれば、公正証書自体に強制力があるため、債権者は裁判を経なくても強制執行をすることが可能になります。これが最大のメリットです。

公正証書には上記のような強制力がありますので、離婚の際の取り決めのうち、離婚後に支払い義務が残るものについては、公正証書にしておけば支払いの確保がしやすくなります。たとえば、養育費は、離婚後長期間にわたって支払いを続けるケースが多いと思います。養育費の取り決めを公正証書にしておけば、債務者（※多くの場合子どもの父親）が支払いを怠った場合に、債権者（※多くの場合子どもの母親）は公正証書にもとづき、債務者の給与差押えをして養育費を回収することが可能になります。

そもそも取り決めを口約束でしてしまうと、相手方は「まあ、いいか・・・」などとうやむやにされたり、そもそもとぼけられたりするリスクもあります。そして、心理的にもいい加減な態度となるケースも少なくないです。
そして、「通常」の離婚協議書を作成しておくことで、お互いの権利義務が明確になり、安心感は出るものの、強制力がないため、手続きは長引き、裁判の渦中に入り、精神的、経済的に大打撃を与えられることは避けられません。
そこで、強制力ある公正証書です。この公正証書の作成過程には元裁判官や元検察官出身の法のプロが関与しますので、非常に相手方にも強力なプレッシャーを与えることができます。結果、支払い手続きもスムーズになるだけでなく、依頼者様の心の平穏にもつながります。

公正証書は公証役場に保管されます。
このため、第三者や相手方から廃棄されたり、改ざんされたり、隠匿されるリスクもなくなります。
結果、安心が実現できます。公正証書はあなたの心強い味方となります。